巴乙の真価

ブラジル2部リーグの静かな革命
私は長年ヨーロッパリーグをPythonとSQLで分析してきたが、ブラジル・セリエBには特別なエネルギーがある。単なる下部組織ではなく、野心と戦術革新、そして本気の欲求がぶつかり合う『圧力鍋』だ。
20チームが昇格と生き残りをかけたこのシーズン、先週だけでも35試合が感情的な決着をみせた。プレミアリーグの中位戦よりも多くのドラマがあった。
意想外を打ち破った一週間
6月27日:ブラジル降格 vs ミナスジェライスは1-2で終了。ミナスGのストライカーが89分にゴールを決めたのは、単なる得点ではない。前節3失点していたチームが急上昇した証拠だった。
また ヴィーラ・ノヴァ vs キリティバはハーフタイム時点で0-0で終了していたが、コーナーからオフサイドトラップに失敗し混乱に。一瞬のミスで1-0となった。
そして アマゾンFC vs クリチウマでは5分以内に2枚赤カード——まさにセリエBらしさだ。
これらは偶然ではない。パターンなのだ。
データは正直:守備の質が上昇中
xG(期待ゴール)とパス精度を組み合わせた予測モデルによると、ゴイアスやクリチウマ、アヴァイは今季最も低いxGA(期待失点)を記録している。運ではなく、組織化された守備だ。
だが驚きはこれだけではない:これらのクラブは平均1.3ゴール以下しかあげていない。『効率』で勝つのだ。
一方、高額補強したクラブ——例えば ジュベントゥデや ペイサンズ——はボール保持率55%未満になると戦術システムが崩壊する。
これは娯楽としてのサッカーではない。戦略そのものが戦争なのだ。
認知されていない才能育成地帯
正直言って:Série Aだけを見ていては物語の半分を見逃している。 この週におけるプレイヤースタットを見てみよう:
- アシストの大半(半数以上)は23歳未満の選手による。
- 6試合で7名もの初出場選手が出場——すべてトップチームではなかった。
- ゴイアス出身の一選手が途中出場後2ゴール——1月以降初スタメンだったにもかかわらず!
才能とは明るいスタジアムではなく、ひび割れたグラウンドや古びた席に詰め掛けたファンの中で育つのだ。
セリエBとは誰が上がるかではなく、「圧力の中でどう進化するか」だ。だからこそ毎週見逃してはいけない。
ShadowKicker_93
